ソーシャルビジネスケース集

病気や信条に関わらず
誰もが食体験を楽しめる世界へ

株式会社RelieFood

図1 バリアフリーなお菓子ブランド
「ISSA KITCHEN TOKYO」

株式会社RelieFood1(以降、RelieFoodと記載)は、食物アレルギーなどの病気や、ヴィーガン2などの信条上の制限がある人でも、誰もが食体験を楽しめる世界をつくることを目指し、食物アレルギーに関連する研究や商品開発・販売を行う企業である。同社は、2023年3月にお菓子ブランド「ISSA KITCHEN TOKYO」を立ち上げ、特定原材料等28品目アレルゲン3不使用で、ヴィーガンにも対応したバリアフリーなお菓子を展開している。レシピ開発にあたっては、アレルギー対応の製菓コンテストで入賞したパティシエの協力を得るなど、安全性とおいしさを両立させた商品が特徴である。これらの商品を通して、様々な食の制約のある人たちに、新たな選択肢を提供することを目指している。
同社は、2022年に、ソーシャルビジネスの創出を目的とする「YYコンテスト4」の学生部門で優勝し、グランドチャンピオンに選出されている。また、同年に出場したUNDP(国連開発計画)とシティ・ファウンデーションが主催する「ソーシャル・イノベーション・チャレンジ日本大会20225」においても、複数の賞を受賞した。現在、高校3年生の加納さんは6、学生起業家として他にも数々のビジネスコンテストで優秀な成績を残しており、今後の事業展開に向けた資金の獲得につなげている。

図2 事業プレゼンを行う加納さん

1 代表者:加納颯人、本社:東京都渋谷区
2 卵や乳製品を含む、動物性食品をいっさい口にしない完全菜食主義者。
3 消費者庁が定める重篤度・症例数の多い8品目(特定原材料:えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生)および過去に一定の頻度で健康危害が見られた 特定原材料に準ずる20品目。アレルゲンとは、アレルギーの原因物質を指す。
4 YYコンテスト(Yunus and You Social Business Design Contest)は、九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センターが主催するコンテスト。若者による革新的なソーシャルビジネスの創出を目的とし、自立的・持続的に社会的課題を解決するビジネスを創出している。メンター伴走型の丁寧な取り組みと、充実したワークショップが特徴。
5 若者によるソーシャルイノベーションと社会起業を支援するコンテスト。(https://www.undp.org/ja/japan/social-innovation-challenge)2023年10月12日参照
6 2023年10月現在

このケースは、株式会社ケース・ラーニングが、九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアムの監修のもと作成した。ケースの記述は、経営管理上の問題点を例示するものではない。本ケースの作成にあたっては、株式会社 RelieFood の加納颯人代表取締役はじめ、社内外の方々にご協力いただいたことに感謝したい。



 
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