ソーシャルビジネスケース集

沖縄をソーシャルビジネスアイランドに

株式会社よしもとラフ&ピース

図1 島ぜんぶでうむさんラブキャラバン2022

「島ぜんぶでうむさんラブ」(以降、島ラブと記載)は、沖縄県の41市町村におけるソーシャルビジネスの普及啓発および起業支援を目的としたインキュベーション事業である。沖縄県をソーシャルビジネスアイランドにすることをコンセプトとし、事業を展開している。
「うむさん」とは、面白い、ワクワクするという意味を持つ沖縄の方言である。沖縄県は、貧困問題など様々な社会課題を抱えているが、これらの社会課題の存在の認識や、ビジネスを通して解決する方法について、ワークショップなどを通して「島ぜんぶ」に楽しみながら広げていくことを目指している。
同事業を展開する株式会社よしもとラフ&ピース1(以降、よしもとラフ&ピースと記載)は、吉本興業グループの関連会社として、沖縄国際映画祭をはじめとするイベントの企画・開催・運営などを行う企業である。島ラブでは、難しく捉えられがちな社会課題の解決に対して、同社の強みであるエンタテインメントの力を活用しながら、教育および起業機会の創出を推進している。
よしもとラフ&ピースは、2020年度休眠預金活用事業の資金分配団体である九州地域 ソーシャルビジネス・コンソーシアム(公益財団法人九州経済調査協会/一般社団法人ユヌス・ジャパン)が実施する「ソーシャルビジネス循環モデル地域形成事業2」の実行団体3に採択されている。沖縄県に拠点を置く株式会社うむさんラボ4(以降、うむさんラボと記載)と連携しながら、2021年から3年計画で事業を展開している。
1 代表者:和泉かな、本社:沖縄県那覇市
2 九州地域(九州・沖縄・山口)を対象とした、休眠預金等活用制度に基づく助成事業。指定活用団体である一般財団法人日本民間公益活動連携機構より、公益財団法人九州経済調査協会と一般社団法人ユヌス・ジャパンが資金分配団体に採択され、実施している。助成事業を通して、ソーシャルビジネス先進地域の創出とネットワーク化を目指している。出典:公益財団法人九州経済調査協会ウェブサイト「休眠預金等活用制度に基づく助成事業」(https://www.kerc.or.jp/ksbc/) 2023年3月1日参照
3 資金配分団体から採択を受けて、活動を実施する法人や民間団体等を指す。
4 代表者:比屋根隆、本社:沖縄県那覇市

このケースは、株式会社ケース・ラーニングが、九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアムの監修のもと作成した。ケースの記述は、経営管理上の問題点を例示するものではない。本ケースの作成にあたっては、株式会社よしもとラフ&ピースの和泉かな代表取締役社長はじめ、社内外の方々にご協力いただいたことに感謝したい。